2025年春の里山ガーデン(その32)八重桜の須磨浦普賢象(スマウラフゲンゾウ)を深堀り!
秋の里山ガーデン開幕まで一週間を切っていますが、もう少し春の里山ガーデンのご紹介が続きます。
さて、「多読(たどく)」というものをご存じですか?
英語の勉強法の一つで、知らない単語があっても辞書を引かず、前後から言葉の意味を類推して、読み進める。
この方式で多くの本を読んで、英語力をつけるというものです。
日本では英語の授業でも取り入れている学校もあるとか。
(素人なので正確に説明できていなかったらすみません)。
この多読に使われる英語の読み物の一つにORT、ODDというシリーズがあり、
Kipper(キッパー)くんと仲間や家族のお話が展開されているシリーズがあるのですが最高に楽しんです!
(イギリス本国では国語の教科書として使われているそうです)
ひょんなことからこの夏、キッパーくんたちに、はまってしまいました。
ストーリーもさることながら、絵がかわいくて、そして、絵の細部に遊び心があって。
たとえば、クマだらけの世界にキッパーが入り込んでしまった物語では、
キッパーは「世界中で有名なクマ」が誘拐されてしまう場面に遭遇。
そこに描かれたイラストには「これはあのクマさんだよね?」ってわかるクマがいたり。
「この人が仮装しているのは機関車トーマスだよね」とわかるお話もあったり。
このORT、ODDシリーズに精通している方と交流させていただき、
「絵のこんな遊びに気づいた!」みたいなやりとりをさせていただいてきました。
どちらかが気づいて、「あらほんとだ!」と深堀り。さらに「00はこうなのかも」と発見。
さらにそこから深堀り、と。
気づいたことを持ち合うことで、さらに世界が深まる愉しさを体験していました。
まるで、多読同好会というサークルに入って、部活動をしている気分でした。
ですので、この多読に造詣の深い方を私は勝手に「多読部長」と思っており、
以下、多読部長さんと記させていただきます。
多読部長さんはありがたくもこのブログを読んでくださっているのですが、
八重桜の須磨浦普賢象の投稿(詳細はこちら)をご覧になって、
「なぜ」と思われたのだそうです。
私自身ははまったく気に留めていませんでした!
日ごろはいろんなことが気になる系の私ですが、なんと、「須磨浦普賢象」、まったくスルーでした。
「なんで、桜なのに、象という名前?」とも感じていなかったのです。
多読部長さんは「須磨」→源氏物語、「普賢」→普賢菩薩を連想され、
でも、なぜこの二つが八重桜の名前に?と疑問に持ったところから深堀りされたそうです。
そして、レポしてくださったことに鳥肌が立ちました!
もともと、フゲンゾウと呼ばれる桜があること。
なぜ、名前に「象」と入っているのか。
それは、花の中心の葉化したところが普賢菩薩が乗る象の鼻にみえることから「フゲンゾウ」と名前がつけられていること。
須磨浦普賢象は、神戸の須磨浦公園で近年に発見された、フゲンゾウの枝変わりのため、「須磨浦普賢象」と名付けられたこと。
フゲンゾウの学名にはmakinoと入っていて、牧野富太郎氏のことなのでは、など。
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びっくりです~。だから「象」なのですね!
自分が撮った写真をあらためて見てみました。
確かに八重の花の中心に黄緑色のにょきっとしたものが写っているものがありました。
以下、鼻に気づいて撮ったわけではないので、不鮮明です。
クリックorタップで拡大してご覧くださいませ
4/17
右)薄黄緑の花びらの中央から、右上に向かって黄緑色のものがパオーン!
左)鼻2本の先端が写っています。
4/22
少しピンク色になった花の中央から2本、「パオーン」。
クリスマスローズって、華やかさと造形の不思議さの二刀流ですが、
フゲンゾウもクリスマスローズに通じるものを感じます。
以下、教えていただいたことと私が深堀りしてみたことを合わせてご紹介いたします。
上記の内容と重複します。
フゲンゾウという桜を知ったばかりですので、
間違いがあったらすみません(気づいたら都度修正いたします)。
●普賢象(フゲンゾウ)という八重桜があり、須磨浦普賢象は普賢象の枝替わり。
1990年神戸市の須磨浦公園で普賢象の枝変わりとして発見された。
普賢象に関しては
■サトザクラの1つ。
■学名はいくつか違う表記あり。
Cerasus serrulata ‘Albo-rosea’ by 日本花の会
Cerasus Sato-zakura Group ‘Superba’ by日本樹木医会
Cerasus Sato-zakura Group 'Albo-rosea' Makino
by 多摩森林科学園サクラデータベース
■2本の葉化した雌しべが普賢菩薩が乗っている象の鼻に似ていることから普賢象と名付けられた。
■室町時代頃の文献にも出てくるが、今の普賢象と同種類かは不確か。
■江戸時代の文献に出てくる普賢象or普賢堂はその絵に特徴的な象の鼻が見られるので、今、普賢象とされているものと同一だろう。
普賢菩薩が乗る象が気になりますよね。
こちらは奈良国立博物館所蔵の普賢菩薩像です。
ふむふむ。普賢菩薩が確かに白い象に乗っていますね。
↑ 奈良国立博物館より
江戸時代は植物図鑑がたくさん作られました。
もちろん、写真ではなくて、写生で。
その一つが『浴恩春秋両園櫻花譜』。
松平定信(1759-1829)の庭園である浴恩園、春秋園の両園での桜を描いた図譜です。
花の中心に緑色の鼻のようなものが描かれていますね!
出典 国立国会図書館
大正時代になるのですが、
『桜花図譜』三好学著(1921年/大正10年)でも
八重の花の中央に黄緑色の象の鼻のようなものが2本描かれています。
出典 国立国会図書館
少なくとも江戸時代から、鼻のあるフゲンゾウがあったことがわかりますね。
昭和に出版された本になりますが、
『牧野富太郎植物記 5 木の花』監修:佐竹義輔、編者:中村浩
あかね書房(1974)のp17~18のフゲンゾウについての記述をご紹介します。
(引用部分青文字)
フゲンゾウとよばれる八重咲きのサクラもサトザクラの一種です。
この花は花びらの中央にあるめしべが葉のすがたに変わっていて、
花の中から象の鼻のようにのびだしています。
このため、普賢菩薩が乗っている象の鼻になぞらえて
フゲンゾウ(普賢象)という名がつけられたものです。
さて。なぜ、須磨浦普賢象が里山ガーデンの東入口に植えられているのでしょう。
それはわからないのですが、ここは動物園ズーラシアのお膝元。
ズーラシアでは開園20周年の記念(2019年)に普賢象を植樹していることがわかりました。
もしかしたら、動物園だから「象」が名前についている花を!と思われたのかも。
その縁で、里山ガーデン東入口にも須磨浦普賢象が植えられたのかも。
以上、あくまでも私の推測です。
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