2025年7月 3日 (木)

映画「国宝」。よかった~。すさまじかった~。神々しかった~。揺さぶられました~!

映画『国宝』を観にいきました。
すさまじかった~。
3時間弱の長さということで、トイレの心配があったけど、観に行ってよかった~。

迷っている時、ネットで、
トイレに行って5分見逃してしまうことを惜しんで
残りの2時間50分を見逃す方がもったいない!
というような書き込みをみたんです。

それで、行こうと思いました。
気に入ったら、もう1度観に行って、見逃した5分を補えばいい、と。

以下、ネタバレには気をつけますが、
映画をまだご覧になっていらっしゃらなくて、
情報をカットしたい方は続きはストップ。
ご覧になられたあとにお読みくださいませ。







歌舞伎役者を主役2人にせず、吉沢亮と横浜流星にしたことが最大の最大のグッジョブでしたね!
歌舞伎の家に生まれたわけでもない喜久雄(亮)と歌舞伎界の御曹司である俊ぼん(流星)、
2人が才能か血筋か。切磋琢磨して歌舞伎の舞台に立つ。
努力、栄光、もがきetc.

流星は設定から、歌舞伎役者を使ってもおかしくはないのですが、
二人とも歌舞伎とは無縁。それゆえ1年半ぐらいかけて、歌舞伎を身につけたというのが凄いと思いました。

特に、亮に関しては、歌舞伎とは無縁の喜久雄が歌舞伎を身に着けるという映画上の設定と
完全に重なります。

15才ぐらいから歌舞伎界に入っても、研鑽して芸を身に着けるのに死に物狂いの世界。
(もっといえば、歌舞伎の家に生まれ、幼いころから稽古している人たちであっても、きっと本人たちは、死ぬまで未熟と思って稽古を積むであろう世界)

それを、映画なのでうまく編集でみせることができるとはいえ、
1年半ぐらいで身に着けて披露しなければいけないなんて、どれだけのプレッシャーとハードな日々だったか!!

普通、映画やドラマでは、私たちはできるだけ俳優ではなくて、役に没頭させてほしいと思いますよね。
サスペンスやアクションものでは、「殺されちゃう! 生き延びて」と願い、
「暑い中、仕事とはいえ、よく走ってるな、この俳優」なんて思ってしまったらつまらない。

でも映画『国宝』では、喜久雄と俊ぼんの物語としてだけではなく、
ずっと、吉沢亮と横浜流星が、と思いながら映画を観ても楽しめるのです。

まるで、ドキュメントのように。
<映画で歌舞伎役者の役を演じることになってしまったため、歌舞伎を死に物狂いで稽古し、
その舞台の収録シーンに臨む若い青年俳優2人>

というドキュメントとしてもすごく感情移入できるのです!

映画のポスターやCM。
衣装を身に着けた亮と流星が向かいあう姿。
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見ただけで涙がでます。

あでやかな衣装をまとい、照明を浴び、華やかな二人。

でも、ここにくるまでにどれだけの苦労と努力があったのか。
向かい合いながら、会話はないけれど、
二人はどんな思いを分かち合って、向かい合っているのだろうか。と。

(私がこの映画を観たいと思ったのが、テレビで流れたわずか15秒のCMでした。
二人が舞台上で対峙してみつめあうようなシーンになにか鳥肌を感じて・・・。
あと、亮が舞いながらこちら側で舞う人をキッと見据えるシーン)

歌舞伎を演じる、それだけでも大変なのに、
若い俳優が少し年齢を重ねた時の姿を演じる(少し老けたメイクなどをして)。
それだけでも大変なのに
そのダブル。
亮と流星がまだ若い役者の時の歌舞伎の演目から、少し経験を重ねた時の歌舞伎の演目まで
演じ分けなければいけないんなんて、どれだけ無茶ぶりなのだろうと。

それをやってのける二人にただただ涙。
(もっと詳しく書きたいけれど自重)。

そして、あらためて、「舞は神事だなあ」と思いました。
やはり、李相日監督の映画『フラガール』でも、同じことを感じました。

肉体を持つ人が神に捧げる。
神の領域に触れる方法の1つが舞いなのでは。
斜め45度ぐらいに顔をあげた時にみえてくる光、浴びる光。

山岸涼子の名作バレエ漫画『アラベスク』にも重なりました。
漫画ですし、音も色もないのですが、すごい場面があるのです。
主人公のノンナが無伴奏で踊る場面。
最初はトラブルに緊張するのですが、それがいつしか無心で踊り、
踊りの真髄に触れるような場面。
スポーツでいうゾーンなのかもしれませんが。

舞う人が血のにじむ研鑽を続け、焦がれ、地獄を見ても欲しいものは、賞でも権威でもなくて、
ただただ、この神の領域に触れるようなその瞬間なのかなあなんて思いました。

美内すずえの『ガラスの仮面』世代の私は、
『国宝』の亮と流星がマヤと亜弓にも見えました。
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子役の2人黒川想矢、越山敬達も素晴らしかった。
ライバルながら、楽しんで、ひたむきに歌舞伎に打ち込む様子。
私もやってみたい! このポーズ取ってみたい!って思わせる。
過酷な稽古だけど、愉しさを伝えてくれるシーン。
この二人だからこそ、亮と流星に立ちはだかるいろんなことが対比で生きてくると思いました。

あと田中泯の存在感、声のつややかさにもしびれました。
渡辺謙のまなざしも圧巻。
芹澤興人もいい味だったのですが、てっきり渡辺哲の息子さんなのかと思っていました。
誰もがよかったです。

エンドロールに流れた井口さんの唄声。
この映画だからこそ、ジェンダーレスの唄声の井口さんを持ってくるセンス、いいですね~。

さて、トイレ問題。
尿意を喪失させるには、大福やぼんたん飴がいいという噂をききました。

なるべく水分のないものを食べようと、事前に食べたものは
コーングリッツをつかったコーンブレッド、羊羹、ぼんたん飴。
飲むのはお茶ではなくて水を少しだけ。

で、臨みました。
途中でトイレ離席せずにすみました。
ぼんたん飴たちが効いたのかもしれませんし、
映画の早い段階から、何度も目から水分が出てしまったので、
それもあるのかもしれません!

2025年2月26日 (水)

この2月、しびれたTVドラマ。「エマージェンシーコール」第4話と「雲切仁左衛門ファイナル」の最終回。

今まで物心ついてから数多くのTVドラマに夢中になりましたが、
私のテレビドラマ視聴史上、一番の神回、神シーンと言っても過言ではないのが、
フジテレビ「エマージェンシーコール」第4話です。

放映から2週間経っていますが、4回以上録画を見直しています。
最初見た時は号泣~
今なお、見なおすたびにうるっと来ますし、
一ノ瀬楓くん、すごいすごいすごい、と思ってしまいます。

以下ネタバレ含みます。

何がすごいって、月9、ゴールデンタイムのテレビドラマで長回し(でしょうか)。
同じシーンで、ほぼ一人を映すのみ。

妻の父が倒れたという119通報を受ける一ノ瀬くん。
AEDを用意するよう電話口で指示し、
妻が戻ってくると妻に父親の心臓マッサージをするように指示します。
その場面。倒れた父親とかの画面に切り替わらないのです。

ずっと一ノ瀬くんの顔しか映りません。
なので一ノ瀬くんと同様、私たちも電話だけで相手の様子を想像するという追体験をすることになるのです。
途中、119通報を受けるほかの管制官たちが一瞬一瞬、映る場面はありますが、
ほぼ、一ノ瀬くんの顔のアップ。しかも目元だったり。

革命的というくらい。深夜ドラマなら実験的に、また映画ならありえるでしょうが、
テレビドラマで8分超、ほぼ一人の役者の顔を映すだけ、なんて今までかつてあったでしょうか。

ここでの一ノ瀬くん(役名は余呉くん)、
本当にリアリティがあります。
電話越に、一緒にマッサージをやるため、
「1,2・・・」と掛け声をかけます。

父親のマッサージをする女性が途中、「1,2・・・」の掛け声をせず、
父親に意識を取り戻してほしくて、いろんな呼びかけをしてしまうので(ドラマとわかっていても切迫感すごいです)、
掛け声がずれたりすると、
一ノ瀬くんの方がそれに合わせなおしたり。

最後の方は、あきらめかける女性に、
「イチニ、イチニ」と声をかけ続け、励ましつづける一ノ瀬くん。
そのひたむきさに涙腺決壊。
ずっとずっと、「イチニ」が続く緊迫感。
もうドラマを超えていました。

父親の呼吸が戻ったとわかった時、
「そうしたら、もうね、心臓マッサージやめてもらって大丈夫ですから」。
と言うのですが、
この「もうね」とかがセリフを超えているといいますか、
本当に一ノ瀬くんが「役になり切っている」ということを超えて
ピンチにいる人を救って、安心させてあげる人そのものになっているんです!
(全然うまく説明できなくてすみません)。

録画を3回ぐらい見直していた時は毎回、ストーリー展開はわかっているのに、すごいすごいと感動して、
4回めぐらいからは、どんな風に撮影しているのかが気になりはじめました。

電話口の相手は実際に目の前に役者がいて、それでやりとりをしている?
それともやはり、別の場所にいて、声だけで合わせている?
この8分、相手の役者は人気のある声優さんのようですが、
みんながこの長丁場をうまくできないと成立しないのですよね。

五輪でバドミントンのものすごく続くラリーのように。
相手が失敗したら、続けられない。
途中で編集が入っているのかいないのかわからないのですが、
一ノ瀬くん、相手、カメラの人。
すべてがゾーンに入っていたとしか思えない8分。

この8分超は、私が役者だったら、どんなおいしいドラマの主役よりも、
「私がやりたかった」って嫉妬するくらいの伝説の8分だと思います。

うまく書けなかったので、近日、少し手直しします。

さて、この神回のあと、NHKのドキュメントの「エマージェンシーコール」京都編を見ました。

こちらは119通報を受ける本物の指令管制員の現場を取材した番組。
通報者の個人情報の部分をカットしながら、放映したものです。
フジテレビのドラマの「エマージェンシーコール」の管制員たちの語り口とすごく共通していて。
いかにこのドラマが、本物を取材して再現しているのかがわかりました。

また、フジテレビのドラマ「エマージェンシーコール」を見て、
『通報で一番大事なのは、どこからかけているのか場所をすぐに特定する』ことと知りましたが、
NHKドキュメントの京都編も、女性スタッフ(北海道出身だったと思います)が
オフの日に街を歩いて、新しいお店などをチェックするとコメントしていました。
そして、実際にパン屋さんから通報があった時、
「あのカフェが併設されているところね?」と身に着けた土地勘が役に立っているところが放映されました。

以前見た番組でもエマージェンシーコールを受ける人の大事な役割が紹介されたのを覚えています。
火災の通報があった時に、電話で、ベランダに出て、隣の家との境の壁を壊すことを指示。
壊せないという女性に、こうやったら力が入るからと、蹴るコツを教え、電話口で掛け声をあわせて蹴らせたり。

山で遭難して通報をしてきた人の元へヘリを飛ばしているけれど、上空から発見できない、という時には
スマホで空を映させると同時にヘリを旋回させ、遭難者のスマホ画面にヘリが映るのを見て場所を特定させた、
というような機転を働かせて、救助の手助けをしていることが紹介されていました。

まだ私は、119通報をしたことがないのですが、もし、することになったら、場所を正しくすぐに伝えられるよう
心がけたいと思いました。
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さて、もう一つこの2月にすごいなあと思ったテレビドラマは「雲切仁左衛門」
中学時代からの親友が面白い!とすすめてくれて、原田美枝子のシーズンから見ているのですが。
本当に面白いし、かっこいいし、音楽もいいし。

以下ネタバレです。

シーズンファイナルの最終回のほぼラストの場面。
安部式部と雲切の直接対決(決闘)の1年後。

安部式部が、さっき、道端で刀を並べていた男は雲切だったのかと気づく場面。
國村隼の表情がいいんです。すごいです。ものすごいです。

セリフはなくて、ため息のような笑い声のようなを発するだけのシーンなのですが。
さっきの男は雲切だったのか、ちゃんと生きていたのか、
とまるでよろこぶような顔になったり、
さっき、気づけば捕まえられたのに、と残念がるようなトホホというような顔になったり、
でも、また、まだこれからも二人の勝負は続くのだとうれしさがこみあげるような顔になったり。

わずかな時間ではありますが、顔の表情だけで、雲切へのいろんな想いが読み取れます。
すごい芸だと思いました!

盗みをする雲霧。彼を絶対捕まえようとする安部式部。
安部式部は自分の体調が悪くなっても、雲切を捕らえることに執念を燃やしているわけですが、
まるでルパンと銭形警部。

捕まえたいけど、生きていていつまでも対決させてほしいと心のどこかで思っていたんだなあ。
みたいな心の内が、まったく語られていませんが読み取れる場面でした。

「雲切仁左衛門」が終わってしまったのは残念ですが、
幸い、私は見逃しているシーズンがいっぱいあるので、まだまだ知らない雲切のお話に会えると思うとうれしいです。

この2つのドラマの神シーン。永遠に保存したいです。



2024年12月18日 (水)

小田和正の至宝のコラボ。♪瞳を閉じて ♪HERO。そして英語の発音が絶品の隠れた名曲!

オフコースについて語り始めたら、それだけで別ブログ1つを設けないといけなくなりそう。
そのためか、今まで一度も口にしていなかったかもしれません。
48年ぐらい前からオフコースが大好きです!

今日、ひょんなことで某動画サイトで、平井堅と小田和正コラボの『瞳を閉じて』を聴いて
鳥肌! 心が震え、涙腺決壊 

すごすぎました。

それで、感動で胸がバクバクしているままに長文を書かせていただきます。

視たのはライブの動画でした。
ライブの醍醐味って、
<まるでホールの壁中がズンズンビンビン振動するような迫力ある音量 &派手な照明演出>
<総立ちで盛り上がる一体感>
というのもありますが、
一番の醍醐味って。実は。
広い会場にギター1本やピアノ1台、もしくは完全なアカペラで歌う。
大勢がいるのにみんな息を呑んで静謐。
その静けさに、染み入るように響く歌声。
だと思うのです。

そして、歌い終わったあと、少しみんなが息を整える間があって、その後、静かにサワサワサワと拍手が広がる・・・
そのひとときがすっごく好きです。

上記の『瞳を閉じて』はそれを感じました。
この会場にいらした方がうらやましい!

2人も素晴らしい。
ですが、素晴らしい2人のアーティストがただ、隣同士で一緒に歌うコラボ、
ではなく、ドラマを感じさせられました。

コラボってこういうことなんだ!と思いました。

若い平井堅は、最愛の人を失った男性の数年後の姿。
失った日はまだ遠くなく、哀しみやその後の自分の気持ちと葛藤しているようなところも感じさせる男性の想いを歌う。
まだ生身の人間的な声。

一方、熟年の小田さんは、平井堅が歌っている男性の何十年後かの姿。に見えました。
月日が経ったからこそ、少し思いが昇華できたような透明感のある歌声。
だけど、どんなに月日が経っても消えない喪失感、もどかしさ、君への想い。
どれだけ膨大な季節を見送ってきたのかと、体感させます。

透明感があるのに ♪I with forever~ のくだり他、力強いし、
♪それしかできない~
葛藤や悲しみ、なにもできないもどかしさ、せつなさetc. ズーンと伝わってきます。

それにしても、小田さん、すごすぎます。
神から与えられた声。
「歌唱力がある」なんて表現をはるかに超える。
多くのアーティスト。年を重ねると、ビブラートを強く効かせて、
くどい歌い方になってしまうことがあるのに。

なぜ、こんなにナチュラルに、昔の頃のように、そして一層、透明感を増して歌えるのでしょうか!!!!

♪瞳を閉じて、を何度もリピートしながら、あと10年後ぐらいに、
平井堅がどんな風に歌うのかも見たくなりました。

30代の平井堅と60代の平井堅が歌う♪瞳を閉じて
映像の合成で、二人が隣同士でコラボして歌っているような感じでみてみたくなりました。

あと20行ぐらい語りたいところですが、このくらいにして
もう1曲、忘れられないコラボ曲を。それは。
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『クリスマスの約束』でミスチルの桜井さんとコラボした『HERO』
桜井さんの、少しざらついた声によるHEROも好きだったのですが、
小田さんの歌声によるHEROは
この楽曲の魅力をさらに気づかせてくれました。

愛する人のHEROになりたい、という歌ですが、
けっして、強い「俺」が「お前」を守るぜ、という歌ではありません。
出てくる言葉も「君」「僕」。

スーパーマンやエリートではない普通の男性が、
自分の弱さ、情けなさを自覚した上で、
大切な人になにかあった時は力になるヒーローになりたいと願う歌。

透明感のある歌声で歌う小田さんのHEROは
「君」と「僕」という言葉遣いもすごく合っていて
(小田さん自身も自分の曲ではいつも、君と僕ですよね)
普通の男性が願う誠実な想い、みたいなものが伝わってきました。

『クリスマスの約束』でのこのコラボHERO。
録画して宝物と思っていたのですが、
デッキが壊れてしまって(一応廃棄はしておらず)、視ることができません。

この時のHERO、もしくは小田さん一人によるHERO。
DVD、CD化してほしいです。
********************
小田さんのことを語り始めるときりがないのですが、
小田さんの歌声の魅力は、稀有な透明感&日本語の発音が綺麗。
そして英語の発音も綺麗で心地よいこと。

おすすめの英語楽曲をご紹介します。
「エンドレス・ナイト」
 「たそがれ」の英語歌詞バージョン。
  メロウな感じがいいです。
②「メドレー」
 オフコース時代のライブアルバム『秋ゆく街で live in concert』収録曲。
 洋楽をメドレーでつなぐのですが、
 「You make me feel brand new」から「You are everything」につなぐセンスに鳥肌。
③PPMのカバー(主にオフコース時代)。おそらくアルバムに収録はなし。
 カセットテープで持っていたのでラジオで聴いたのを録音していたのかなと思います。
 「名前のない馬」
 「風に吹かれて」
 「Jane Jane」
 「Cruel war」
 「A soalin’」

 ※Cruel warは「クリスマスの約束」でJUJUのメインボーカルで
  披露されたことがありました。
  戦地に赴く恋人に私も連れていってと歌う反戦歌ですが、
  JUJUの、声高に歌い上げずにしっとりと歌う様子が
  逆に胸に刺さりました~。

以上、おすすめと書きながら、CD化されていなかったりで、
聴いていただくのは難しいかもしれません。
(特に洋楽カバー)
まわりに60代以上でオフコースがずっと好き!という方がいらしたら
音源を持っていないかぜひうかがってみてくださいませ~。

(2024.12.25追記)
『クリスマスの約束2024』で過去の放送のダイジェストをやってくれました。
ミスチルの♪HEROもやってくれましたが、桜井さんが歌っていたり二人で歌うところで、
小田さんがソロで目立つところはカット(くすん)。

テレビ画面のこっちで、
うぎゃ~。
アーティスト本人がその歌を歌うのは何度でも聴けるんじゃ~!
おんどりゃ!なんでそんな場面放送して、小田さんが歌うという肝心のところをカットするんじゃ!
( `ー´)ノ ( `ー´)ノ ( `ー´)ノ
小田さんがカバーしているところを聴きたいんじゃ!
とキレてしまいました。

そのあと。
キリンジの♪エイリアンズを過去に「クリスマスの約束」でやっていたのを知りませんでした!
大大大好きなこの曲を小田さんが歌ってる!
フルで聴きたいです~。


2024年8月 4日 (日)

パリ五輪。村尾三四郎の柔道に心酔!

今まで五輪の柔道も何回も見て
数々の勇者の名勝負に感動してきましたが、
パリ五輪で初めて柔道の奥深さに開眼しました!

それは村尾三四郎。
まず、三四郎という名前がいいですね。
高校時代から活躍していたので注目していたのですが、
実際に試合映像を見ることはあまりなく。
パリ五輪での柔道、立ち居ふるまい、コメント、すべてが素晴らしかった!

シベリアンハスキーのような鋭い眼光で相手を見据え、両手を空中に突き出して、相手をとらえようとする。
熱い闘志がありながら、極力冷静に見える姿勢がすごい。

両者が拮抗してなかなか組手が取れなかったり、
「指導」の黄色いカードがつく選手が少なくない中で、
村尾三四郎は常に積極的。

大外刈りの、ケンケン・バン!の美しさ! 

個人戦は本当に悔しいものでした。
インタビューで、こらえても涙が出てそのたびにそれをカメラにみせまいと後ろを向く姿が
意地らしかった。

そして、判定への不服などを口にせず、負けて精神的に動揺が残るであろう中で
言葉を選びながら、自分の足りないところ、今後への道筋などを語る様子に
真のクレバーさを感じました。

こんな立派な彼だからこそ、混合団体戦では勝って、金メダルを手にしてほしかった!

団体戦でも素晴らしい動き、キレ。
冴えていました!
フランスびいきの完全アウエイの空気にも動じず。

決勝戦。高山選手も角田選手も素晴らしかった。
自分よりも階級が上の体格のいい選手を相手に臆することなく挑む姿とか、漢です。
とにかく顔つきがみんないい!

阿部一二三も凄かった!
相手を見据えて、ゾーンに入ってしまっているような眼光。

出血があったというのは、たんに血が出た、ということではなく、痛めたダメージがあるということですし、
片鼻をふさぐことによって、ただでさえ息が荒くなる延長戦において、呼吸がしづらくなったでしょうし。

阿部一二三が勝てなかったのは出血後のダメージの負荷もあったはずで、本当に惜しい惜しい惜しい!

みんなが金メダルを取って、感極まる映像を見たかった!

でも、村尾をはじめ、戦った日本の選手たちのあの試合中の、凄まじい顔つきは
一生、鮮明に、忘れないと思います。

きっと他国の人も。勝ち負けよりも、あの試合中の、画面に映し出された日本の選手たちの気迫。
心に残りつづけると思います。

記録より記憶。

五輪での勝利とすれば4年後。
望みを持ち続けます!

それにしても、村尾三四郎の柔道は、今回いろんなもやもやがたまる試合が多かった中で
強く、スピーディー、軽やかで美しく、とてもオーソドックスにも見えて、
柔道の技ってこんなに美しいものなんだと再発見させてくれて
本当に魅了されました。

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youtubeでの村尾三四郎と斉藤立の2年前の歴史的名勝負。
ttps://www.youtube.com/watch?v=da-ZZ4UCCck

学生時代。村尾90kg、斉藤170㎏、体格差80㎏のその試合。
本戦では決着つかず、なんとトータル16分18秒となったという試合。
凄まじいです。

この二人がこの五輪で得た経験値を次に生かし、この世代を引っ張ってくれるのでしょう。

それにしても、村尾VSりネールみたかったです。
体格差がある中で、どんな風に仕掛けるのか。勝機をみつけるのか。
負けてもいいから、見たかった!

そして、村尾だったら熊とも対決できるのでは、という気にもなりました。
素手でも素早く熊の懐にはいって、うちまかしそう!

2023年2月 3日 (金)

三浦大知沼にズブズブ~。肉体がある歓びを200%表現する姿に鳥肌!

今、三浦大知沼にはまっています。
お正月にハードディスクに録画していたテレビ番組を整理していた時に
『Mステ・ウルトラスーパーライブ』(テレビ朝日2019年12月27日放送)を見直したのがきっかけです。

あらためて三浦大知のすごさに心酔しました。10分間歌い踊り続けるパフォーマンスのかっこよさ!

艶のある声。キレのあるダンス。周りのダンサーも息がぴったり。

踊っている最中のどこかふわっとした表情も魅力的。
クールに踊っているのだけど、冷たくない、あたたかさを感じます。

彼のパフォーマンスに、「神事」という言葉が浮かんできました。
昔からお祭りや宗教で「舞」は神事でした。
人が<生を受けた、肉体を持った感謝>を大いなるものに伝える、
踊りを神様にささげる。

そんな神聖さすら感じました。

特にすごいのが途中の無言ダンス。
ステップを踏む足音だけが響きます。
三浦大知とまわりのダンサーたち。
まるで、ゾーンに入っているかのよう。

凄いダンスを見ると私はいつも、山岸涼子の名作バレエ漫画『アラベスク』を思い出します。
ピアノ弾きが手を止めてしまったために、無伴奏で「ラ・シルフィード」を踊るノンナ。
無音の舞台。響くのは手首に巻いたブレスレットのサラサラという音だけ。

この目ではじめて見る 霊感というものを
彼女はいま 踊るということに自分のすべてをささげているのだ
音楽も観客も舞台もそして自分さえ
これらすべてを滅却してはじめて到達しうる踊り

(以下私による略)
とミロノフ先生によって語られるノンナの舞。

芸術の深淵に触れた踊り。
三浦大知の圧巻の10分のパフォーマンス、特に無音のダンスにそれを感じます。

一番好きな曲は♪ビーマイセルフ。

youtubeでこの曲のPVを視たのですが、ほんとにかっこいい!
特に、最後。
三浦大知が一人、光の中で踊る場面があります。
くるくるっとまわって、すそをひるがせて。
逆光の光に透けながら。その美しさと言ったら!
大知本人もカメラワークもパーフェクト。
神がかっています。

三浦大知の魅力の一つは、真似をしてみたくなる。ということ。
年を経るにつれ、身体はガタがきて、やっかいな乗り物状態。
だからこそ、軽やかに踊る。肉体がある歓びを200%表現する三浦大知の姿に魅せられるのかもしれません。

踊る姿を見るだけで、エネルギーをもらいます。
コロナ禍、ライブはまったく行っていません。

心配性な私が自分にライブ解禁をするのはまだ先だけど、
最初に行くライブは三浦大知がいいです!

閉塞感を吹き飛ばし、光の世界に連れていってくれる。
今私たちは生きている!ってたからかに叫ぶ。

きっと大勢の方たちとそんな歓びを共有できるひとときを味わえるのだと思います♪

2020年4月19日 (日)

感染の危険を覚悟しながら命がけで救おうとする医療従事者の姿にジーン。

昨日は春の大あらし。

午後はTBSドラマ『仁』を視ながら自宅で今まで撮った画像の整理をしました。
名前のわからなかった花がいくつも判明できました。
20170103clematis
↑クレマチスだったのですね

コロリ(コレラ)に立ち向かう江戸時代の人々の姿に胸が熱くなりました。
最初にこのドラマを視た時(こちら)に感じた咲の聡明さに今回も打たれました。

「コレラともいうのですね」。
麻酔というものを知り「これは言葉の麻酔です」と説明する。
産婆だと機転を効かして、大名行列の脇をすりぬける。

そして新型コロナが猛威をふるう今だからこそ、
あらためて江戸時代の人がコレラを恐れる気持ちが切実にわかりました。
(コレラを恐れる気持ちが切実にわかる事態に21世紀を生きる自分が直面するとは想像もしていませんでした。
 神社や寺に疫病退散のお守りがあることも藁にもすがる思いだったんだと昔の人々に心から共感できることになるとは)

このドラマの魅力は、自分の死を恐れず人を救おうとする姿、江戸時代の技術力、
医術を身に着けようとする向学心(江戸時代にタイムスリップした南方から点滴の方法ほか貪欲に技術を学ぼうとする)が描かれています。

せいいっぱい生きる市井の人、医術に生きる人々の聡明さ、などに打たれます。

そしてコレラと戦う南方仁や緒方洪庵や弟子の姿が
今、新型コロナに立ち向かっている多くの医療従事者の方たちの姿と重なりました。
今、私がこのドラマを視ている間にも
仁たちと同じように感染の危険を覚悟しながら、目の前の感染者を救おうとしている。
そう思うとこみあげてくるものがあります。

何も手助けできないからこそ、負担をかけることはしたくない。
自分が感染しないことが一番まわりの人のためになる。
あらためて気をひきしめて過ごそうと思います。

P.S.
『仁』はこのドラマに出演するだけで生きてきた意味を全うできたのではないか
と思うくらいみなさんの演技が素晴らしいのですが、
 戸田菜穂演じる喜一の母。喜一がコレラから助かったことを知って、
よろこびの声を出せないままへなへなとなるシーンも心に残る名シーン。

2019年9月 8日 (日)

U18の試合。マウンドに立つ仁王、西くんが私のMVP

野球。韓国・機張で行われたU18の日本代表の試合をずっとテレビで視聴。
8月30日から9月7日まで9日間で8試合という超過酷な日程。

テレビで視ているだけでも一喜一憂して身体に力が入って、
9月1日ぐらいにへろへろになり、視てているだけでこんなに疲れるのだから、
試合をしている選手たちはいかに大変かを思い知りました。

まして、今回は天候不良で、中断で待たされたり、雨の中濡れながらの試合も多かったですし。

私の中で大会MVPは西純矢。 (以下選手名敬称略)
韓国戦。まさかの佐々木朗希の1イニングで降板。
で、予想外の急きょ登板になったと思うのですが、気迫が違いました。
マウンドに立つ姿が仁王

外野へヒットを打たれたり、ワイルドピッチで進塁を許す場面もありました。

それでもマウンドに立ち続ける姿には
「僕が佐々木のかわりがつとまるかな」なんて不安そうな様子は微塵もなく。
何があっても自分が投げ切るんだという凄まじい気迫がありました。
実際、ワイルドピッチのあとに三振を取っていました。

「ゾーンに入っている」ということでしょうか。
何かを超越してしまっているような立ち姿&ピッチング。

その後、機転を効かしてピッチャーフライをワンバウンドで獲って1塁に投げた時、
野手がダブルプレーになる意図で動けなかった場面でもいらつきやがっかりをみせず。

マウンドに立つってこういうこと。
投手はマウンドに立ち続けるのが仕事。
全身全霊でそれを体現しているように思えました。
すべてを背負う覚悟の気迫がビリビリと伝わってきました。

レフトの守りについた時も、ホームへの神返球で韓国に追加点をあげない大ファインプレー。

投手、野手、打者として大活躍。
韓国戦でのマウンドに立った姿は今思い出すだけでも鳥肌ものです。

準MVP

飯塚脩人
どんな場面で登板が回ってきても、なぜこんな投球ができるんだ!と思うメンタルの強さ。
奥川恭伸の後でも堂々と遜色のないピッチングが圧巻でした。
ボールが当たってしまった球審を気遣うところにも性格がみてとれました。

宮城大弥
過酷に登板がまわってきた一人。
韓国戦でのライトからのドストライク・バックホームも素晴らしかったです。
韓国の選手イ・ヒョンジョンの頭に死球、の時も印象的でした。
一塁に立ったイ選手に宮城が頭を下げたら、イ選手も帽子を脱いで頭をさげました。
大丈夫ですよ、と伝えるかのように。
死球の際、日本では投手とファーストが相手に頭を下げるのは当たり前のことですが、他の国はどうなのでしょう。

プロほか死球で乱闘が起きたり、報復死球があったりする中で。
国が違った選手同士のこの対応。

韓国戦はすさまじい試合で互いにファインプレーも幾度も。
死闘をしている好敵手。互いに相手をリスペクトする気持ちが自然にあの行動に出たのかしら、なんて思いました。

石川昂弥
韓国戦とオーストラリア戦はつらいものになってしまったかもしれません。
彼の悪送球とは言い切れないものも。
その打撃でJAPANを勝利に導いてきた功労者。
抽象的ですが、のびやかで実直。
そのプレーをこれからも見たいです。

森敬斗
過酷な日程の大会中、今日は調子が悪いという波が一番少ないように思いました。
コンスタントに活躍するどころか、どんどん上向きに適応して乗っているような。
3塁打の前にランナーがたまっていなくてタイムリーにならず、と惜しかった場面もありますし、
さっきのヒットが、この満塁の場面で出たらよかったのにという場面もありましたが、
不動のリードオフマン。
過酷な日程で、スタメンフル出場。誰よりも打席に立ち、走り、生還。
その鋭さがほぼ鈍ることなく。
大柄ではない身体ですが、スタミナや気力がみなぎっているのでしょう。
打席や塁上の姿に溢れる気迫。
西が仁王なら、森は猛禽類の気迫。

打席で相手キャッチャーのマスクを拾ってあげるシーンがテレビで映りました。
日本ではあたりまえの光景ですが海外ではやっていないのでしょうか(テレビで映っていないだけ?)
国際大会だからこそ、日本の野球であたりまえのことをやってくれてうれしくなりました。
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上記に挙げたうち4人 西 宮城 石川 森がこの夏の甲子園非出場組。
7月に各都道府県の大会で負けて「高校球児」としての野球が終わったはずの彼らに
「高校球児」として輝ける日々がもう一度用意されるu18。
なんという有意義な大会なのでしょう!!

7月に甲子園出場の夢が破れても、次のステージのために技術を磨き続けた彼らも素晴らしいです。
4月に日本代表の第一候補の合宿もあったようですが、
たとえ甲子園に出ていなくても、その能力が素晴らしければ代表に選ばれるチャンスがある。
選手の選出をされる方達の目利きも素晴らしいと思いました。

奥川をはじめ、坂下、熊田、武岡、韮沢、遠藤、水上、池田、前、浅田、林、横山、山瀬、鵜沼、佐々木。
どの選手もプレッシャーと闘って、踏ん張って。
日本中の誰よりも濃い、彼ら自身も人生で一番濃い10日間を過ごしたのではないでしょうか。

U18(2019)の選手の進路は大学、プロ、社会人と分かれるのでしょうけれど、
この20人の今後の活躍を追いたくなりました。

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大会唯一の不満は加熱する奥川佐々木報道。

今日は登板しないという時でもベンチの様子で映すのはこの2人の顔ばかり。
もっとその日の試合に出ている選手の顔を映してほしいのに。
新聞でも試合で活躍した選手より、この2人を取り上げてがっかりでした。

確かに奥川はカナダ戦、素晴らしかったです。

私は8月26日の壮行試合(神宮球場)を現地で見ました。
佐々木、テレビでみる以上に脚が高くあがることにびっくり。
ピッチングは確かに圧巻でした。

でも、でも、韓国戦。1イニング降板はほかの投手に負担がかかりすぎ。
彼自身、「また血豆が」と言えないくらい追い込まれてしまったのでしょうか。

42kmのフルマラソンで序盤にものすごいスピードでトップを走り、
その後失速したり棄権したりするランナーがいますが、
一番大事なのは序盤たとえ後ろで目立たなくても、完走すること。ゴールでトップになること。
と思うのです。

1イニング限定でもほかの誰もができないピッチングができる佐々木は凄いです。
でも、強豪ではない野球部で120km前後の力の投手が、強い打者に立ち向かう。
160kmよりも弱い武器だけど、打たれてもへこたれず、
緩急や制球力やフォームやスピード以外のあらゆる面も磨いて、自分の武器で立ち向かう。
ぼろ負けすることがあるかもしれないけれど、それでも次の試合に臨む。
そんな姿も同じくらい尊いなと思いました。

↓8月26日の壮行試合(明治神宮球場)のセレモニーで。
左から坂下主将、森副将、奥川副将、石川
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明治神宮球場からの眺め。
五輪スタジアム、美しいカーブの建造物。
20190826jingu

2018年3月26日 (月)

山下弘子さん。どんな時も輝いていました。

山下弘子さんが25才の若さで亡くなられました。
すごくショックです。

ニュースゼロで山下さんの生き方が紹介されてから折々、その姿を拝見してきました。

19歳の頃の写真では普通の綺麗な女子大生という印象だったのですが、
ガンになって「生きる」ことを決意されてからの彼女はさらにどんどん輝いていきました。

髪が短くなった時も、どんな時も。

成功率が低い手術でも果敢に挑む姿。
手術が終わった時にもう目が覚めることがないかもしれない、
という恐怖の中でどういう決心をしたら手術に向かえるのでしょうか。

希望、絶望、痛みや苦しさ。
精神的にも肉体的にも弱って、自暴自棄、無気力になってあたりまえなのに
「生きる素晴らしさ」を伝える講演活動をされ、富士山登山ほかいろんなことに挑戦した姿。

毎日、生きている、それが当たり前のようで実は「ありがたい」ことなのだと教えられました。

ガンにおかされても、とてつもなく「生命力」に溢れた女性でした。
私たち一人ひとりの中に、山下弘子さんの姿はずっと輝き続けます。

25年の生涯であっても、これまで、そしてこれからも多くの人の光となるでしょう。

そして、私を含め多くの人がいつか「ガン」の当事者となることがあったら、
彼女の凄さをあらためて身に染みて感じることになるのでしょう。
身体が冒され、苦痛と恐怖に襲われても前を向きつづけた生き様に。

心よりご冥福をお祈りいたします。

2017年9月25日 (月)

その輝きはまるで火打石の火花かマグマ。高校生の和太鼓演奏。気迫、ほとばしるエネルギーに圧倒

縁ある学校の文化祭に行きました。

そこでの高校生男子の和太鼓演奏が素晴らしくって、二日経った今も思い出すだけで鳥肌が立ちます。

ホールでのステージは、一列に並ぶ。Vの字に並ぶなどフォーメーションがよくわかります。
また、演出も工夫されていて、太鼓奏者たちに照明を当てず、
黒いシルエットとなって背景の赤いスクリーンに浮かび上がる場面では
振り上げた手とバチのシルエットなどが切り絵のように浮かび上がり印象的でした。

そして圧巻は、このホールだけではなくもう一箇所での演奏。

それは教室の前のスペース。
Taikotaiko

「廊下」よりも幅の広い通路(15メートルぐらいあるでしょうか)になっています。
教室の反対側は1、2階部分はコンクリートの壁。その上は吹き抜け。
という多目的に使える空間。

ここに太鼓を設置して演奏するわけです。
見る人は、「奥まで続く」と記した空間から眺めたり、
演奏スペース脇にロープで仕切られた通路側で眺めたり、吹き抜けになっている上から見下ろしたり。

今回は早く着いたので演奏スペース脇のロープで仕切られたところに立ちました。
フォーメーションによってはロープをはさんですぐ向こう側(手を伸ばせば太鼓が叩けるぐらい)に
太鼓が設置されることもあり演奏の迫力に圧倒されました。

耳の鼓膜を太鼓の音がびんびん震わします。つんざくほどの音量。
そして震動が床から足を通じて響いてきます。

それだけではなく、空気そのものがビュッビュッと震えて肌に届くのです。
これは生まれて初めて味わう感覚でした。

なわとびで二重跳びをする時、縄がビュッと鳴る時のような。

この空気の震えが伝わってくる 体験はこの空間の特性ならではだと思うのです。
演奏スペースの片側が2階部分までコンクリートの壁なのでそちら側に音や空気が通り抜けていかない。
だからこそ黄色の通路側やベージュのスペース、吹き抜けの空間の上に音や振動が伝わっていくのかなと。

聴くだけではなく波動砲を浴びているような感覚でした。

そしてすごい気迫。奏者すべてが一糸乱れずリズムを合わすための集中力の凄まじさ。
全身全霊で専念、そして渾身のエネルギーで叩き続ける。
その気迫たるや。

鳥肌は立ち、目もウルウルしてきました。

一人一人の顔つきが本当に凄かったです。
これだけ集中して、気迫にあふれた顔を見たことがないなと思いました。

たとえばスポーツ。
マウンドのピッチャー、打席のバッター。その対峙は火花バチバチでしょうし、
卓球の試合も台を挟んで選手同士のバチバチがすごいなと思います。

スポーツ以外でも百人一首の対決も頭の一音に耳を研ぎ澄まして札を取り合う。
その集中力と火花は迫力あるでしょう。

でも自分がその当事者にならないで、観戦ギャラリーでいる限りは、
気迫あふれる人を近距離で見ることはないのですよね。

どんなにマウンドでのピッチャーに凄味があったとしても、その隣で眺めることはできないし。

なので、人生で生まれてはじめてでした。
こんなにまぢかで、凄まじい気迫に触れるのは。
本当に一人一人が輝いていていました。
この輝きっていうのは「笑顔がキラリン」と表現するような太陽光や、ふんわりした光ではなく、
火打石をカッカカッカこすりあって飛び散る火花のような輝き。

演奏とともにみんなの顔つきに圧倒感動しました。

そして太鼓とは別に笛を吹く人や小さなシンバルのようなものをもって跳ねる人がいるのですが、
跳ねる人の軽やかさ、太鼓を叩く人たちとは違って笑顔で観客を盛り上げる役者ぶりにも
普段は普通の高校生のはずなのにとびっくりしました。

いろんなところでの演奏活動を経験していることもあるのでしょうけれど
MCも素人とは思えないうまさ。

演目で特に印象的だったのはけんか太鼓(ぶち合わせ太鼓)。
一つの太鼓を3人で奪い合うようにして素早くかわるがわるに打つのも圧巻。
タイミングが少しでもずれたらアウト、の素早さで次々位置を変えて太鼓を叩きあいます。
それから掛け声も威勢がよくて。
叩き手がばちを持ったまま観客に歌舞伎のような見栄を切ったり(にらみをきかせたり)、
叩き手同士でにらみ合ったり、「けんか」と名のつく通りの荒々しさも魅力。

演奏中、何本もばちが割れたり、割けたりしていました。
そしてばちが飛ぶことも。
右手のばちがなくなった人、どうするのだろうと思ったら、
右は素手のままそのまま叩き続けました。
(ドラマーが普段、ばちがないままエアで練習する時のように)。

ばちがない分、手の振りおろしが難しいと思うのですが
あっぱれでした。

体力の限界、を超えるような凄まじい時間。
ほとばしるエネルギー。
ストイック。
「捧げる」という言葉が浮かびました。
「祈り」という言葉も浮かびました。

太鼓が古来「神事」に使われるのがわかりました。

だらんとしていた細胞にエネルギーが注入されてシャキーンとなりましたし、
空間を震わして邪気を祓う神事そのもの。

とにかくすごかったの一言。
輝いていたの一言。

まったくうまく文章がまとまらず、同じ表現の繰り返しになってしまっているのですが
自分メモとしてあの、圧倒された「ひととき」を記しておきたくて書いてみました。

2016年8月21日 (日)

リオ五輪(その1)阿修羅と仁王の美しさ

男子400mリレーの銀メダルは一日以上経った今でも興奮さめやらずです。

表彰式でジャマイカもカナダもガタイのいい黒人選手が並んでいました。
その中に日本の4人。
スタートの山縣、コーナリングの桐生・・・
持ち味を最大限に生かした走順とバトンの工夫で、タイムでは敵わないアメリカ、カナダに勝てたということ。

革命的な出来事ですよね!

リオ五輪。快挙続き。
体操男子、テニス錦織、ラグビー、レスリングetc.ここぞという場面で決められるメンタルに鳥肌が立ちましたが
特に心揺さぶられたのが卓球とバドミントンです。

【卓球】
バドミントンの潮田玲子氏が激しいラリーを展開した時の体験を「ゾーン」に入っていたとかつて語っていましたが、
「まさにこれがゾーンか」と思う場面がいっぱい。

男子の水谷選手凄いですね。
どうしたら人間があんなラリーを続けられるのでしょうか。相手の選手もあっぱれ。

水谷選手が大きな口を開け、のけぞってこぶしを突き上げる時

Gionsyuchusen
こんな劇画調の背景が見えるようでした。

組み合う格闘技を除き、戦う選手が一番至近距離で向かいあうのが卓球なのかも。
(格闘技ですら、組んでしまったら相手の顔は見えないわけで)

サーブの時、手にしたピンポン玉に集中する顔つき。
レシーブの時、ラケットを構え、ネットの向こうの相手に挑むサーブに挑む顔つき。
ドアップで映し出されます。
怯んだら、相手に察知され、つけこまれそうなほどの近距離での勝負。
選手同士の間の火花がテレビ画面から飛び散ってきそうでした。
中国の許 昕(きょ きん)の座ったような目つきの貫禄もまるで劇画キャラ。

劇画や特撮映画だったら、選手の背に炎を描いたり、効果音などで迫力を表現するのでしょうけれど、
トップアスリートの戦いには演出ごときは一切不要。
顔つきとボールの音だけで劇画や特撮を超えるド迫力の死闘にしびれました。


卓球女子。

愛ちゃんのラリーでの神プレーや気迫、団体でチームを盛り上げる姿、メダルをとったあとの涙にも感動。
キャプテンの重圧の日々が感じ取れました。
団体戦。日本はチーム力があるといわれていましたが、本当にそうだなと。
他国のダブルスの試合うを見た時、ミスした選手ががっかりして天を仰ぐ隣で、
パートナーまでが「あーあ」とがっかりする様子が映りました。

でも、愛ちゃんは。
伊藤選手がミスして「あーあ」とのけぞる時も、伊藤選手が見事に決めた時も、
間近でまっすぐな視線で目をみつめ、「大丈夫大丈夫」というように声かけする様子が映りました。
素晴らしいキャプテンシー。
泣き虫愛ちゃんがこんなに立派になって、と自分が親戚のおばちゃんかのように涙ぐみました。
石川選手の団体での、柔道の松本薫に匹敵するほどの獰猛さをみせた顔つき、土壇場で勝ちきる強さや技術にもあっぱれ。
伊藤選手も、ミスがあってもそのあと神プレーを決めるおそるべき15歳。
自分自身に不安を持たずのびのびとプレーをしているのが感じられました。

【バドミントン】
タカマツペアに心揺さぶられました。19対17から追い上げて金メダルを獲る精神力に感服。
男顔の高橋選手は、大陸の仏像のような顔立ちの美人。
松友選手は女性的でリスのような雰囲気の美人。まったくタイプが違うのがいいですね。

インタビューでは普通の可愛らしい若い女性に見えるのに、試合中に放つオーラは別人。
全神経を集中させて、サーブを待つ顔を正面から捉えるカメラ、横顔を捉えるカメラ。
凛々しくて神々しいほど。
特に決勝は白いコスチュームのこともあって、スポーツというよりも神事を行う巫女のようにもみえました。
とてつもないラリーで、響くシャトルの音、音、音。
まるで自分も観客席にいるかのような臨場感を感じました。
金メダルの試合をLIVEで見られて本当によかった! 

高橋選手の方が男性的に見えたのですが、表彰式で高橋選手の方が涙ぽろぽろだったり、
二人の違いがあるからこそ補い合える絶妙の夫婦のようなコンビですね。

バドミントンの選手たちがサーブを受ける時に構えるポーズってかっこいいですね。
ラケットを持った手ともう一方の手を体の前に少し突き出して構えるポーズ。
特に女子シングルスで銀メダルを獲ったインドの選手がこのポーズをするとインド舞踊の一場面のように感じられました。

一般的に女性の美しさといえばにこやかな笑顔やゆったりとした優雅な動き。
いわば「天女」のような姿だと思うのです。
でも愛ちゃんや石川選手、高松ペアをはじめとする女性アスリートを見ていると。
試合中は、阿修羅か仁王のよう。
キッと見据え、こぶしを握り締めて自らを奮い立たせるような鬼のような形相。
スマッシュを打つために大股を開いて踏み出す時の太もものたくましさ。

でも、その阿修羅や仁王の姿がとてつもなく美しく見えました。

emi

  • プラネタリウムでのヒーリング番組制作に携わった後、現在は 土井利位侯の「雪華図説」をライフワークとして調べ中の図書館LOVER。月に魅せられ、毎日、月撮り。月の満ち欠けカレンダー(グリーティングライフ社)のコラムも担当。              興味対象:江戸時代の雪月花、ガガーリン他。最近は、鳥にも興味を持ち始め、「花鳥風月」もテリトリーとなっています。   コンタクト:各記事のコメント欄をご利用くださいませ。コメントは私の承認後、ブログ内に反映される仕様にしています。公表を希望されない方はその旨をコメント内に明記くださいますようお願いいたします。
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